今治市伊東豊雄建築ミュージアム

TIMA Blog

串田和美さん独り芝居「月夜のファウスト」を開催しました。

November 07, 2021

2021年10月31日(日)に「まつもと市民芸術館」の芸術監督で俳優・演出家の串田和美さんをお招きし、独り芝居「月夜のファウスト」を今治市岩田健母と子のミュージアムで開催しました。
コロナ禍で生まれた演劇の原点ともいえる串田さんの独り芝居は、岩田ミュージアムでの公演でも舞台と客席、限られた小道具のみという大変シンプルなものになりました。


公演は串田さんが観客に語りかけることから始まりました。記憶を辿る個人史に話に耳を傾けていると、いつの間にかファウストの世界とが混在していきます。


悪魔メフィストフェレスなどの登場人物が現れ、次々と場面が展開していき、串田さんが創り出す演劇と現実の世界を行き来しているような舞台に夢中になりながら拝見させていただきました。

90分間の公演をお一人で全て演じきった串田さんがニコリとはにかみ、そこでファウストの世界を終えたということに気づかされるほど、圧倒される体験となりました。

 



観劇されていた伊東豊雄さんは、「見惚れて、聞き惚れてしまいました。皆さんも同じ気持ちだったと思います。私と一つしか年が違わないのに、すべてを御独りで演じられて感動しました。串田さんは演出家もされて、お芝居もされて、たまに観客にもなられますが、今回はそれ以上に何役もこなされていました。」とお話をされました。
そして串田さんは「このような環境でお芝居をしたのは、初めてです。音の響きや鳥の鳴き声も入ってきてとても面白かったです。この場所に合った演目も考えたいですね。」と感想をくださいました。
ミュージアムという特別な環境で、岩田健さんの彫像たちもこの公演を見守るように存在してくれたように思います。

 

コロナ禍により、演劇などの文化活動は止む無く中止を余儀なくされてしてしまう時期があったものの、串田さんは演劇を続けることを模索し、生まれたのが演劇の原点ともいえる「月夜のファウスト -独り芝居バージョン-」です。この演目を通じて串田さんの演劇への思想の一端に触れることができたように感じました。


岩田健母と子のミュージアムと伊東豊雄建築ミュージアムは今年で開館10周年を迎え、こうした節目の年に素晴らしい演技の世界を見せてくださった串田和美さんや串田さんのご家族の皆さま、そしてご来場いただいた皆さまに感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。


 

 

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